【全館床暖房の真実】科学的なデータからみる床暖房の良い悪い①

家の性能
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どうもみなさんdaiです。

みなさんは全館床暖房と聞いて疑問に感じることはないでしょうか?どうして床暖房の設置場所が局所ではなく「全館」何だろうか?そもそも、一条工務店のような高気密・高断熱住宅に床暖は必要なの?他の暖房設備でもいいんじゃないの?そこまで床暖にこだわり続けるのはどうしてなの?正直な話このような疑問があります別に否定するつもりではありませんよ。もし否定的な立場にいたら一条工務店では建てていませんからね。ただ純粋に疑問だったのです。

確かに一条工務店の床暖房は快適ですそれは間違いありません。しかし、快適さ以外に目を向けて見ると床暖房が必要な理由って何だろうか?と考えてしまうのですよ。床暖房が健康に与える影響はどんなものなのかが私の職業柄気になったものですから、少し考えてみることにしました。

ですので今日は看護師である私が床暖房が及ぼす影響を解説していこうと思います。最後までおつきあいのほどどうぞ(^人^)

※読むのが面倒な人は最後のまとめを見てくれるだけでOKです。かんた〜〜んにまとめていますので。

断熱改修を予定している住宅を対象として、改修前と改修後で居住者の健康への影響がどれだけあったのかを、改修前の健康調査を2307軒4131人に対して調査した後、断熱改修後の健康調査を679軒1194人を対象に行ったものです。。住宅環境の研究としてはかなり大規模な研究になっていますので、もし興味のある方は一読願います。

一条工務店:全館床暖房は健康に良いの?

結論から先に書くと、床暖房が健康にいいと言うよりも、床近傍を暖めることが健康に良くそれに最適なのが床暖房であると言うことになります。ですので高気密・高断熱住宅に床暖房は必須ではなく、床表面の温度を18℃以上に保てられるような暖房設備であればなんでも良いのです。なんで18℃以上がいいのかは読み進めてもらえるとわかると思います。

快適性と健康に重要なのは床近傍の温度である!ということを覚えていただければOKです♪───O(≧∇≦)O────♪

なぜ床近傍の温度が健康と快適さにつながるのかがここ最近の研究でわかってきたので、その解説になります。長くなりそうなので何回かに分けて投稿します。

床近傍が重要

dai
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床近傍って何?それおいしいの?

そもそも近傍とは、付近とか近いところを示しますので今からお話しする床近傍とは、床から1cm程度の高さと思ってくれてOKです。

この1cm程度の温度がかなり重要なポイントになってくるので覚えておいてください。なぜ床近傍が重要になってくるかと言いますと、床近傍と床から1m程度の高さに温度差があると人の体に色々な不調をきたすことが最近の研究で明らかになってきたからです。

具体的にどのような症状、もしくは健康被害がみられるのでしょうか?そして原因は何にあるのでしょうか?まず原因については家の断熱性能の低さにあります。断熱性能と言っても単純な断熱材だけで決まるわけではなく、構造・工法、窓の性能などありとあらゆる性能が相互に影響しあって決まるわけです。どれか一つでも良ければいいというのは間違いですのでお気をつけ下さい。。。

具体的には以下の4つが家の断熱性を決める上で重要な項目です。

  • 家の構造→木造軸組・ツーバイフォー・鉄骨造・RC造
  • 窓自体の熱伝導率・日射遮断・日射習得・気密性能
  • 断熱材の種類と性能
  • 換気の種類と性能

健康に適した家づくりをするには、床から天上までの温度差をなくすことが1番の近道です。少し話が逸れてしまったので本題に入りたいと思います(*´∀`*)ぺろ

室内の環境が招く健康被害・症状とは?

具体的には以下の通りです。一通り解説していきますが、かな〜り長くなると思われます。そのあとで床近傍の温度が改善すると体にどのような変化があったのかを説明していきます。

断熱不足が原因で起こる健康被害
  • 季節によって血圧の変動が大きい
  • 室温が低いほど、心電図やコレステロール値に大きな影響を与えている
  • 就寝前の室温が低いほど夜トイレに起きる回数が多い(医学用語で夜間頻尿とも言います)
  • 脱衣場やリビングの室温が低いほど、熱めのお風呂に入る事が多くなる
  • 床近傍の温度が低い家に住む人ほど、高血圧、糖尿病、難聴、脂質異常症に罹患する人が多い
  • 身体活動領の低下

季節によって血圧の変動が大きい

この調査は、2014年〜2017年までの夏と冬の気温差で室内温度がどのように変化したのか、また、その変化によって起こる健康の変化を調べたものなのですが、非常に興味深いことがわかりました。

季節差によって血圧はどのように変化していくかを室温安定群と室温不安定群の2通りの住宅グループに分けて検証を行っています。以下の通りです。

  • 室温安定群 →居間空間の平均室内温度が冬18℃以上、夏26℃未満の家
  • 室温不安定群 →居間空間の平均室内温度が冬18℃未満、夏26℃以上の家

室温不安定群に属する住宅グループは、2014年〜2017年までの検証期間の間に、居間空間(リビングや寝室などの主要生活スペース)での季節差による室内温度は13.9℃もの差があったことがわかりました。それに対して最高血圧は年間を通して9.8mmhg、最低血圧でも5.4mmhgの差があったのです。つまり、これは室内の温度差の変動が大きければ大きいほど、血圧は不安定になって将来的な高血圧、生活習慣病の原因に繋がると解釈できます。

最高血圧・最低血圧が何かわからない?

例えば病院なんかに行って血圧を測ってもらったとしましょう。その際に120/70mmhgと表示された場合、120の部分が最高血圧で、70の部分が最低血圧となります

では室温安定群に属されている住宅グループはどうだったのか?

室内安定群では、居間空間の季節差が2014年〜2017年までの検証期間中の季節による室内温度差はわずかに4.0℃室内不安定群と比較してみると、その差は9.9℃と断熱性能を高めることで大幅に室内温度を改善できる事がわかりました。血圧に関しても最高血圧は、わずかに2.3mmhgの変動、最低血圧も1.1mmhgとごく僅かな変動に落ち着く事がわかりました。

つまり、室温安定群では最高血圧・最低血圧ともに季節差による変化が顕著に小さく、安定する事が言えるのです。具体的に言うと夏〜冬にかけて室内の温度差が±4.0℃以内に保たれていれば、最高血圧・最低血圧ともに血圧の変動が小さくなるのです。

温度差は悪い意味で心電図やコレステロール値に影響を与えている。

室温が低い家では、コレステロール値が基準値を超えて高い人、心電図異常の所見が多い事もわかっています。

dai
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でも、どうして温度が低いと健康に悪いんだろう?

家の環境でコレステロールが上がる理由

上でも話した通り居間空間の温度が低い家で生活していると、血圧に影響を与える事がわかりました。高血圧によって血管壁が傷つけられ、その傷にコレステロールが付着して動脈硬化が起こります。その結果コレステロール値が上昇するわけです。

ちなみにデータでお伝えすると、床上1mの温度が18℃以上ある家と18℃未満の家に住む人は、温暖な家で生活している人に比べても、総コレステロール値、LDLコレステロール値が高く、また、心電図の異常の所見に多かったのです。

総コレステロール・LDLコレステロール・心電図の異常所見をグラフにしてみようと思います。

このグラフの見方は、温暖群に属する住宅で暮らしている人の基準を1.0とした場合、もう片方の住宅に暮らしている人は、どれだけ健康状態に問題を抱えている人が多いのかを調整オッズ比で表しています。一番下に書いてあるのが正常範囲の限界値です。この数値を超えると異常とみなされる数値のことですね!

ちなみに調整オッズ比というのは、基準となるものの割合を1とした場合比較するもう一方がどれだけ起こりやすいのかを表したものです。それで見ていくと…

オッズ比

つまり、こういう結果になります。

調整オッズ比の見方
  • 総コレステロール220mg以上の人が2.6%も多い
  • LDLコレステロール値を140mg以上の人が1.6%も多い
  • 何らかの心電図異常を持っている人が1.9%も多い

心電図というのは、心臓の動きを捉えたものなのですが規則正しく動くのが正しいリズムなのですが、たま〜に、特にストレスとか疲れによって規則正しく動かない場合があるんですが、この頻度があまりに多いと心臓に何かしらの異常が起きていると考えられるます。。。

就寝前の室温が低いほど夜間頻尿が増える

寒い場所にいるとトイレが近くなる経験をしたことはありますか?その理由がコレです。

就寝前の室温が12℃未満の住宅では、寝室の温度が18℃以上もある家と比べて夜のトイレの回数が増えてしまう人の割合が1.6倍も上昇することがわかっています。このトイレが近い状態のことを専門用語で「過活動膀胱」というのですが、日本人にとても多いことがわかっています。どのくらい多いかというと、40歳以上の男女のうち8人に一人がこの症状に悩まされているぐらいです。

以下は、過活動膀胱の有無に関する分析結果です

分類調整オッズ比
就寝前室温12℃未満18℃以上1.62
年齢65歳以上65歳未満2.54
塩分摂取かなり多い少ない2.67
高血圧ありなし1.40
腎臓の病気ありなし5.43
降圧剤の服用ありなし1.38

わかりやすく解説すると、寝る前の温度が12℃未満の人は18℃以上の住宅に比べて平均して1.62%も上昇する、このような感じで左から右に見ていくとわかりやすいと思います。

過活動膀胱の割合を見ていくと、やはり何かしらの腎臓の病気や年齢、塩分の過剰摂取が多いと起こりやすく、それに比べると室内の影響はそこまで大きくないように思います。それでも調整オッズ比の基準を1として比較した場合、基準値を超えているので普通と比べて夜間の頻尿が起こりやすいことは間違い無いのかなと思います。

床近傍の温度が低いと高血圧、糖尿病、難聴、脂質異常症に罹患する人が多い

骨折・捻挫・脱臼というような行動に伴う事故にも温度が影響しているという驚くべき結果もあるので報告します。

床上1mと床近傍の温度との組み合わせを温暖群・中間群・寒冷群にわけたところ、中間群では高血圧・糖尿病で通院している割合が高く、寒冷群では高血圧、脂質異常症で通院しているの人の割合が多く、耳の聞こえにくさや、先ほども話した骨折・捻挫・脱臼を経験した人の割合も同時に大きかったのです。

それぞれ分けてみた
  • 温暖群=床上1mの温度が16℃以上、床近傍の温度も15℃以上
  • 中間群=床上1mの温度は16℃以上あるが、床近傍の温度は15℃未満
  • 寒冷群=両方とも16℃未満

調整オッズ比で見てみるとどうなるでしょう??

※以下にまとめますが、ところどころ抜け落ちている部分があります。これは今回の研究では数千人規模と割りかし少ない人数しか調査ができず、データ不足なところがあるためです。だからと言ってこの研究が全くの無意味かというとそういうわけではありません。あらかじめ御容赦ください(>人<;)

高血圧糖尿病難聴脂質異常症骨折・脱臼
温暖群1.01.01.01.01.0
中間群1.51⬆️1.64⬆️1.31⬆️
寒冷群1.53⬆️1.39⬆️1.39⬆️1.65⬆️

中間群と寒冷群において、あらゆる病気が平均的に高くなっているのがわかります。もちろん家に住む人全てを対象にしたわけではないので、もっと調査対象を広げれば違った結果が出ると思いますが、昔から言われている「冷えは万病の元」は事実と言えそうです。

まとめ

・床そのもの or 床から1cm程度の高さを含めた家全体を暖めること

・高気密・高断熱住宅には床暖は必須じゃない

・床付近と室内の温度が低い家庭は健康を悪くする

次は同じタイトル②で断熱改修後の体の変化についてわかったことを書いていこうと思います。

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