どうもだいです。
今日の内容はタイトルにもある通りです。
特に小さい子供を持つ親御さんは知っておいた方がいいです。冗談ぬきに、自己判断で解熱剤を飲ますことは子供の将来を奪ってしまう可能性があります。
では参ります^ ^
インフルエンザの基本
まずは、インフルエンザはこういうものだよ、というのを理解おさらいしておきましょう。
解熱剤の使用がダメな理由
素人考えで、安易に解熱剤を使用するとライ症候群(インフルエンザ脳症)を引き起こす可能性が高いので絶対やめましょう。
ライ症候群とは、18歳未満の小児がインフルエンザ感染後、特定の解熱剤を飲むことで起こる致死率が高い病態のこと
非ステロイド系消炎鎮痛剤を代表する薬👇
ロキソニン・アスピリン・ボルタレン・バファリン・セレコックス・ナイキサンなど。
特にアスピリンという薬は、子供の脳に永続的な後遺症を残してしまう可能性があるので、アスピリン及びそれに似た薬は内服しないようにしましょう。
イマイチピンとこない方のために少し怖い話をさせてください。
自分の子供には素敵な人生を歩んでほしいと思うのでが親の気持ちだと思います。例えば、友達を遊んだり、部活に励んだり、将来結婚したり、好きな仕事に就いたり、などですね。
脳に後遺症が残ってしまうと子供の未来が奪われる可能性が出てくるのです。
最悪の未来を防ぐためにも、インフルエンザに罹患したからといって自己判断で解熱剤を使用することは絶対にやめましょう!
インフルエンザ脳症について知っておこう
日本では年間200万人がインフルエンザにかかりますが、そのうち100万人ぐらいは15歳までの子供たちです。その100万人の子供たちのうち、数百人が”インフルエンザ脳症”を発症します。
インフルエンザ脳症は、インフルエンザによって引き起こされる急性脳炎で、5歳以下の乳幼児にもっとも多いです。インフルエンザに感染後、発症後数時間から1日で神経症状が現れます。
こんな病気なので、入院治療が絶対です。数ヶ月の入院期間は覚悟しておいてください。
これらの症状が出現すると命の危険あり!
インフルエンザ脳症の原因

脳内にインフルエンザウイルスが侵入するわけではなく、過剰な免疫反応による高サイトカイン血症が原因と考えられています。
高サイトカイン血症とは?通常体を守ための免疫反応が過剰に反応しすぎて、自分自身を攻撃すること
高サイトカイン血症は、敗血症、鳥インフルエンザ、エボラ出血熱などでも起こるので、それ自体がすでに命を脅かしている状態ということです。それに脳炎が加わるのですから、大変危険な状態であることは言うまでもありません。
また、インフルエンザ脳症も薬剤との関係性が深いです。
実際医療の現場でも、成人や高齢者のインフルエンザ患者へはロキソニンやボルタレンは原則使用禁止としています。代わりの解熱薬として、アセトアミノフェン(カロナール)が使われていますが、正直カロナールの解熱効果はそこまで高くないのが患者にとって辛いところ。
でも、他の解熱鎮痛剤に比べてインフルエンザに対しての安全性や信頼性が高いので、例え大人であってもライ症候群やインフルエンザ脳症の可能性はゼロではないことを考えると、より安全性の高い治療が選択されて当然です。
どういう症状が現れるの?
発症後、24時間以内に意識障害、けいれん、異常行動が現れます。
子供がインフルエンザと診断された場合、目を離さないように注意しましょう!
後遺症について
主な後遺症は身体障害に関するもの、記憶や思考などに関する精神障害によるものがあります。
身体障害・・・四肢麻痺もしくは半身麻痺
精神障害・・・知的障害、学習障害、高次脳機能障害、てんかん
ちょっと専門用語すぎるので、わからない人はググってみてください。
検査と診断
インフルエンザ脳症の以下の4つに加えて、特徴的な脳波と脳の形がみられます。
- ✅意識障害・けいれん・異常行動の症状がある
- ✅意識レベル20以上、もしくは10以上が24時間以上続く場合
- ✅両親がわからない、存在しない人や動物が見える、ぶつぶつ独り言を繰り返す
- ✅失禁や嘔吐がある
CT検査やMRI検査で、びまん性脳浮腫がみられます。
びまん性脳浮腫とは?脳全体がむくみ膨れ上がるとても危険な状態。
また、血液検査や脳波検査も行われることはありますが、診断を確定するために行うのではなく、治療方針の決定と全身状態の把握するために行われることが多いです。
脳浮腫について、過去の記事で少し触れています。(本当に少しだけです🙇♂️)
脳症の治療
脳炎の状態にもよりますが、抗ウイルス薬・ステロイドパルス療法・免疫グロブリン大量静脈注射療法が行われます。まぁ要するに、薬物療法です。
1、抗ウイルス薬・・・皆さんご存知タミフルやリレンザなどが使用されます。意識障害が起きている場合は、別の方法がとられます。
2、ステロイドパルス療法・・・ステロイド薬を点滴注射して、高サイトカイン血症や脳浮腫の緩和を図ることが目的です。ただし、この治療だけでは血液を固まりやすくしてしまうため、同時に血栓形成を予防してくれるヘパリンという抗凝固剤を使用します。
3、免疫グロブリン大量静脈注射療法・・・高サイトカイン血症に効果大です。しかし、アナフィラキシーショックを起こす可能性があるので、医者や看護師は目を離せません。
治療後どのくらい回復が見込めるか?
適切な処置が施されれば、命は助かります。ですが、それでも10%ほどは死亡してしまいます。また、回復したとしても後遺症が残ってしまう可能性が高いです。
だからこそ、インフルエンザの予防が一番大切です。
インフルエンザにかからないように手洗い・うがい・マスクの着用、人混みにいかない、新型コロナウイルス対策と根本は同じ!
素人判断で解熱剤を使わない!
この2つを必ず守りましょう!^ ^
おわり