どうもdaiです。
病気の話題は、あまり関心を示さない人が多いと思いますが、最近のコロナパンデミックで多少なりとも意識が向いている人が増えてきています。
特に脳疾患は、コロナウイルス以上に健康リスクが高く、誰にでも起こる病気なので
看護師である私が、わかりやすく解説していきたいと思います。
クモ膜下出血とはどういう病気?

一度は聞いたことのあるクモ膜下出血という病気はこういう病気です。
クモ膜下出血というのは、脳内の血管に小さな瘤(動脈瘤)ができて、それが破裂することでクモ膜下出血を発症します。
血腫ができただけではクモ膜下出血とは呼ばず、脳動脈瘤という病名です。
⭐️脳動脈瘤とは? → 脳の動脈に分岐部に瘤ができること 👇

脳動脈瘤ができただけでは特に自覚症状はありません。
もし、動脈瘤が起きて何かしらの症状が出るのであれば、こんな理由が考えられます。
クモ膜下出血の特徴

この病気の一番の特徴は激しい痛みです
経験された方が言うには、不意に後ろから金属バットで殴られた時の痛みとの表現が適切です。
あまり想像したくありません。
ちなみに、医療重視者でもある僕も、この痛みの表現が適切かどうか気になったので、父親に聞いてみましたが本当らしいです。(父親は数年前にクモ膜下出血の経験ありです)
クモ膜下出血の痛みは一時的で終わるわけではありません。父親の場合は2週間ほど続き、ほとんどの人は、この激痛が最低一週間続くことが多いそうです。
しかも、この激痛は一般的に多く常用するロキソニンやボルタレンではあまり効果がなく、それ以上に強い鎮痛剤を使用して、ようやく和らぐ程度です。
なので、発症後一週間は地獄のような苦しみを伴うのが、この病気の1番の特徴と言えるでしょう。
痛み以外の特徴は?

痛みだけでは終わらないのが、この病気の厄介ところです。
意識障害・・・植物状態や脳死
麻痺・・・右上下肢(腕と足) or 左上下肢(腕と足)に重い障害が残る
言語障害・・・言葉が話せなくなる、呂律が回らない、言葉の理解ができない
高次脳機能障害・・・言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に起こる。 注意が散漫になる、怒りっぽくなる、記憶が悪くなる、段取りが悪くなる、など。
つまり、生死だけでなく一つの障害が社会生活を困難、もしくは不可能にさせてしまう恐れがあるということです。
好発年齢:高齢者に多いが、実は・・・?

好発年齢は、40歳〜65歳までが最も多く、特に女性に多いです。年齢が高くなるにつれて増加していきます。どんな病気でもそうですが、高齢者はあらゆる病気にかかりやすくなります。クモ膜下出血も例外ではありません。
ググってみると、上のように書かれている場合がほとんどですが、実はもっと若くしてなる人もいます。
僕の知人(正確には友人の友人ですが)は、20歳でクモ膜下出血を発症し、以後寝たきりになってしまいました。ちなみにその人も女性です。
発症した原因は”腹圧をかけた事による脳血管への圧の増大です”わかりやすく言うと、排便をしようとお腹に力を込めた瞬間に、一時的に血圧が上昇し、未破裂であった脳動脈瘤が破裂したことに起因します。
つまり、年齢に関わらず、脳動脈瘤を持っているだけで、いつ・どんな時に破裂してもおかしくは無い、ということです。
クモ膜下出血の原因
よく言われるのが、高血圧、喫煙、過度な飲酒です。いずれも血管に負担をかけるわかっています。
しかし、その原因と同じぐらい重要と言われているのが、実は遺伝的要因です。
他にも先天的に動脈内部の構造に異常があったりしても発生確率は高くなります。
なので、親族にクモ膜下出血、もしくは脳動脈瘤の既往がある人は将来なりやすいです。
実際、父親がクモ膜下出血で倒れた時に、主治医に聞いたことがあります。

先生、原因はなんなんですか?やっぱり高血圧だったんでしょうか?

遺伝や。タバコとか高血圧とかは、あまり関係あらへん
遺伝性や先天的になりやすい特徴のある人は、高血圧や喫煙なので血管壁に圧がかかりすぎると動脈瘤を引き起こしやすいと言えます。
動脈瘤が破裂する大きさ

瘤の大きさが、直径1mm〜4mm程度であれば、特に問題ありません。
5mmを境に1mm大きくなるごとに破裂するリスクは高くなり、7〜8mmを超えるといつ破裂してもおかしくない状態と言われています。
大きくなればなるほど破裂率は高くなっていき、3-4mmの小さな動脈瘤と比べて、7-9mmでは3.4倍、10-24mmでは9.1倍、25mm以上では76.3倍の破裂率
脳動脈瘤について
特に、瘤の形が歪であるほど破裂するリスクは高くなります。
で、この病気の恐ろしさは無自覚なところにあります。
例えば、風邪を引いたときなんか発熱や症状があって初めて受診するじゃないですか?
それと同じで、脳動脈瘤も症状がなければ病院にかかることも無いので、発見が遅れてしまいます。
つまり、知らず知らずの内に病気が進行し、気がついた時には破裂している場合がほとんどということです。
脳動脈瘤の治療
クリッピング術 コイル塞栓術
・脳動脈瘤クリッピング術
・血管内コイル塞栓術
上でも書いたように5mm以上になると破裂のリスクが高まるので、基本的に5mmまでは1年〜数年に一度脳のMRIやCTで経過を見る場合がほとんどです。
全ては医師の判断次第で治療方針は変わりますが、5mmを超えた場合の治療の必要性が出てきます。
この二つが同時に行われることはありません。二つとも動脈瘤の破裂を防ぐために行われるものなので、瘤の位置や場所、大きさによって最もリスクが少なく良いとされる治療が選ばれます。
クモ膜下出血にならないような生活ってどういうの?
結論から言ってしまうと、もしあなたに動脈瘤が見つかったなら一年に一回は頭のMRIやCT検査をして、瘤の状態が大きくなっているのか変わらないのかの経過を見るしかクモ膜下出血を予防する術はありません。
「それだけかよ!?」と思われるかもしれませんが、正直なところ脳動脈瘤ができるハッキリとした原因は解明されていないんです。ですが、なぜ瘤ができるのかを順を追って考えていけば、血管に負担をかけないようにすることがいかに重要かハッキリすると思います。
おわり