断熱材の種類と特性を詳しく解説します。

家の性能
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どうもdaiです。本日は断熱材の種類と特徴について詳しく解説していきたいと思います。

断熱材だけで快適な生活空間ができるわけではないことを予め話しておきます。快適さは窓の性能、気密性、家の構造、職人に力量により変わってきます。それでも断熱材は住宅には必要不可欠ですから、最適な断熱材は各自の判断に委ねます。

断熱材の種類と特性

断熱材がきちんと断熱を果たすためには、その中に含まれる空気層がいかに小さいかが重要になってきます。一つ一つの空気層が大きくなるほど、断熱性は弱くなるからです。。

断熱材が断熱としての役割を果たせる理由は、細かな空気の塊にあります。繊維系の断熱材、木質繊維系の断熱材では、束ねられた中に閉じ込められた微細な空気層が熱を逃さないために断熱効果を発揮します。

つまり、製造過程の中でできた小さな隙間に空気の固まりが断熱効果を生んでいることになります。

断熱材の種類を大きく分けてみる!
  • 繊維系断熱材
  • 発砲プラスチック系断熱材
  • 木質繊維系断熱材
  • 自然系断熱材

と言われてもわかりにくいと思うのでもう少し詳しく書きます。ちなみに日本で多く使われている断熱材の種類たちです。性能面に関しては別で取り上げます。

種類特性
繊維系断熱材グラスウール
ロックウール
・性能的には同等、価格も同じぐらい
・透湿係数が高いので防湿層が必要
・ロックウールは耐火性が高い。軽く断熱性能も高い
発砲プラスチック系断熱材ビース法ポリスチレンフォーム
押出法ポリスチレンフォーム
硬質ウレタンフォーム
ポリエチレンフォーム
フェノールフォーム
ビース法ポリスチレンフォームは高緩衝性が高い
気密化が計りやすい
中に設けられた気泡の大きさで断熱性能が変わってしまう
自然系断熱材羊毛断熱材
炭化コレル
インシュレーションボード
セルロースファイバー
調湿効果が期待できる
天然素材、リサイクル素材を使用している
優れた断熱効果
環境や健康に優しいエコロジー
【daibrog】一条ZEHのSmartHouse
温度差がない家は快適なの?【断熱性】/

断熱材にはランクがある。単位は別に覚えなくてもいいよ

断熱材の種類によっては、同じ商品名であっても性能面で違いが出てくるものもあります。断熱性能示す数値として、熱伝導率があります。これは熱伝導による熱の移動のしやすさを示す物理量のことを言います。熱伝導率の単位は、W/(m・K)で表現し、呼び方は”ワット毎メートル毎ケルビン”です。

特に覚えなくてもいいのですが、単位まで呼べるようになると「こいつできる!」と周囲には思われることでしょう。

話が逸れました。では本題に入りましょう

グラスウールを例に見ていきましょう。グラスウールには10K、16K、24K、32K、と4種類のランクがあって、数字が大きくなるほど高断熱であることを意味しています。熱伝導率区分で見ていくとグラスウール10Kでは、λ(ラムダ)=0.050~0.046W/(m・K)となっています。対してグラスウール16Kでの断熱区分は0.045~0.041W/(m・K)となっています。熱伝導率は数値が小さいほど熱を伝わりにくくする=断熱効果が高いということになるので、10Kよりも16Kの方が断熱材としては優れていることになります。

グラスウールの他にも押出法ポリスチレンフォーム(商品名:スタイロフォーム)でも1種・2種・3種に分けられています。3種押出法ポリスチレンフォームでの熱伝導率はλ=0.028~0.023W/(m・K)とかなり高い断熱力を持っています。

ここで注意しなくてはならないのは、建築会社によっては、グラスウールやスタイロフォームとしか明記していないところにあります。つまり、メーカーで採用している断熱材がどのくらい優秀なのか一目では確認しずらい問題があるのです。またその会社によっては断熱材の名前ではなく、独自の呼び方だったり、商品名を使用している場合もありますのでご注意下さい。

これから家を建てる人は、必ず断熱材のランクと断熱材の名前を確認しておこう!!

断熱材の特性について

グラスウール

断熱材をグラスウールにする場合は、高断熱・高気密・換気設備・全室暖房の計画を考えた施工をすることが絶対条件です!

日本でもっとも広く使われている断熱材です。その分価格も手頃で、普及している分グラスウールの扱いに慣れた大工が数多くいるので問題なく施工できる安心感があります。しかし水を通してしまう作用があるので、防湿層は必ず必要になります。じゃないと湿気対策ができないので内部結露で断熱材や柱がカビでボロボロになってしまい家の耐久性がガタ落ちしてしまいます。しかも風を通してしまう作用もあるので、気流止めも必ず必要です。

気流止めとは?

隙間風をなくすこと。冷気や暖房の行き来がなくなるので冷暖房の効率が上がる。これをしないと冷暖房効率が約4割も下がります

上の絶対条件をどれか一つでもかけているようならオススメはしません

dai
dai

どうしてダメなの??

なぜなら長い目で見たときに、結露や断熱材がずり落ちてしまうトラブルが発生してしまうからです。逆を言えばきちんとした施工さえ行えば何も問題は起きない素晴らしい断熱材になり得ます。

ロックウール

ロックウールの熱伝導率ではλ=0.040~0.035W/(m・K)という高い断熱性に加えて、軽く・防火性・耐火性・吸音性・耐久性があるのが特徴です。700℃まで熱を加えても一切変化しない、燃えにくく、変質しない、溶けないと断熱材に求める全ての性能が合わさった断熱材です。簡単に言えば災害に強い断熱材であると言えます。

ただし、ロックウールも透湿性が高いため防湿層が必要になります。日本でのシェアはまだ少ないですが、海外ではRC構造、基礎の地中部分の外断熱にも使われるぐらいメジャーなものです。

ビーズ法ポリスチレンフォーム

熱伝導率はλ=0.040~0.035W/(m・K)。透湿性が低く、耐水性が強いので湿気対策になりえます。軽く緩衝性も高い断熱材です。外壁や屋根だけでなく、基礎周りの断熱材としても優秀なので使われています。また建築に用いられるビーズ法ポリスチレンフォームは難燃剤を添加し自己消化性を持たせています。

自己消化性とは?

火に晒され続ければ燃え続けてしまうが、火から離れると燃焼を継続しない性質のことです。プラスチック系断熱材の場合は、この自己消化性を持たされている場合が多いです。

押出し法ポリスチレンフォーム

基礎断熱の定番と言ってもいいぐらい使われている断熱材です。一条工務店のような性能を重視している工務店ですら基礎断熱にスタイロフォームを使っているぐらいですから、性能の信頼性は抜群です。高性能グラスウール48K(λ=0.034~0.029W/(m・K))よりも優れた断熱材です。

熱伝導率は0.028~0.023W/(m・K)と高い断熱性と、透湿性も低く湿気対策は万全と言えます。しかし施工するときは、基礎断熱に使用するときはその特性からシロアリ対策は必須になります。

押出し法ポリスチレンフォームの特徴
  • 硬質
  • 耐圧性が高い
  • 吸水・吸湿が低い
  • 熱伝導率が低い

硬質ウレタンフォーム

押出し法ポリスチレンフォームが基礎断熱の定番ならば、硬質ウレタンフォームは外断熱の定番ともいえる断熱材です。

熱伝導率は0.028~0.023W/(m・K)と極めて高く、透湿性も低いため湿気対策にもなります。ウレタンフォームはポリイソシアネート、ポリオールに難燃剤、触媒などを加えて反応させ、ポリウレタン樹脂を作ります。それに発泡剤を加えることで、硬質ウレタンフォームが出来上がります。

ウレタンフォームの形状
  • ボード状
  • 現場発泡

硬質ウレタンフォームボードの利点は自己接着性にあります。これは接着剤を使わずにあらゆる面材(金属とかコンクリート、合板など)に発砲することで、対象物に強く接着した断熱層をつくることができます。つまり、大工の技量に左右されずにしっかりとした断熱を施せることになります。

しかし、ここで気をつけなければいけないことが一つあります。それは湿気の問題です。

いくら自己接着性が強くても、接着面に水分が侵入してしまっては接着力が弱まってしまったり、腐食の原因にもなります。そこに水分が侵入するのは結露以外考えられません。つまり室内の温度と湿度対策が重要になってきます。なお、一度でも腐食が起こると温度の上昇とともに腐食も進行してしまいます。

施工するにあたり基礎外断熱に使用する場合はシロアリ対策が必須になります。要は、断熱材に防蟻加工を施さなければいけないということ。

基礎断熱とは?基礎のコンクリート部分に断熱材を貼ること。

基礎外断熱とは?→基礎に当たるコンクリートの外部に断熱材を貼る方法。基礎内断熱とは、その逆でコンクリートの内側に断熱材を貼る方法のこと

フェノールフォーム断熱材

数ある断熱材の中で、もっとも断熱力が高いのがフェノールフォームです。熱伝導率は0.022〜0.02W/(m・K)と低く、発泡プラスチック系の断熱材の中では火を当てても炭化するだけで煙や有毒ガスの発生はほぼありません。つまり防火性に優れているという見方もできるので万が一の火災の時でも安心です。ありとあらゆる面で高性能な断熱材がフェノールフォームになります。形状はボード状のほか金属板や石膏ボードなどの複合パネルもあります。

ただし材料価格が高いのがネックとなります。もしフェノールフォームを35mm厚入れるとして、100mm厚の高性能グラスウール16K(約1000円/㎡)の軽く2倍もします。

自然系断熱材(セルロースファイバーなど)

自然系断熱材でもっともポピュラーなものがセルロースファイバーです。木質繊維系の断熱材も最近注目されてきている断熱材なので、それは後述します。

セルロースファイバーの熱伝導率は、0.040~0.035W/(m・K)で高性能グラスウール32Kに相当する断熱性能になっています。グラスウール以上に吸音性が高く、水蒸気の保湿性が良い上に、吸放湿も良いので、防湿シートがなくても冬場の結露の心配がありません。しかも、夏場に起こる内部結露にも効果的です。つまり、家が丈夫で長持ちして欲しいと思っている方はセルロースファイバーで十分言えそうです。

夏場に内部結露が起こるのは?→日光によって暖められた外壁が壁体の中の建材(断熱材とか)に蓄積されていた水分が、エアコンなどによって室内側の壁が冷やされたことで起こります。つまり家の外壁と内壁の温度差が原因です。

結露の心配がなければ残る心配は、どれだけ隙間なく施工できるかにかかっています。セルロースファイバーの工事は吹込み、吹付けによって施工されます。

吹付けとは?→住宅の下地に専用の機械を用いて付着させる方法

吹込みとは?→天井部分に専用の機材を用いて敷き詰める方法

木質繊維系断熱材

木質繊維と聞くだけで、なにやら性能が良くなさそうに思われますが、意外とそんなことはありません。

他の断熱材との比較
  • グラスウール16K(0.045~0.041W/(m・K))と同等の性能
  • セルロースファイバーと同程度の水蒸気の保湿性と吸放湿
  • 防湿シートがなくても内部結露の問題がない

このように他の断熱材と十分に渡り合える性能があります。もちろんより高性能な断熱材には及びませんが、木質繊維系の断熱材は割と最近になって注目されてきた断熱材であるので、これからの技術力と工夫次第で、高性能断熱材に負けずとも劣らない性能にまでなるのではないかと思っております。

木質繊維系断熱材はこれからの地球にとって必要な断熱材であることに間違いありません

エコロジー・バウビオロギー断熱材とも言われ、実際にドイツやスイスでは、エコハウスを中心に普及しています。何かと地球環境にいい意味(笑)でうるさい現環境にマッチした断熱材であると言えるからです。材質はその名の通り木質オンリーなので、リサイクルの観点から見てもこれほどエコな断熱材は他にはありません。

一般に自然系断熱材は生産量が限られているのが長らく欠点でしたが、最近では、廃材やリサイクルされた木質繊維を原料とした再利用に目が向けられています。実際に日本でも2009年からカラマツによる軽量軟質木質繊維ボードが大量に生産されていますよ。これからは間違いなく、こういう断熱材を使う会社が増えてくると思います。今はまだ最優先で選ぶべき断熱材ではありませんが、今後の将来では間違いなく選択肢になり得る断熱材と言えるでしょう。

断熱材の選び方

改めて説明する必要もないと思うのですが、念のため一応書いておきます。断熱材が住宅にとって必要不可欠なのは、家に住む人の健康そのものを守ることです。

冒頭でも説明しました「夏は涼しく冬は暖かい」の言葉通り熱を遮断するということが、その理由に直結してきます。しかし、いくら断熱性能を高めても、暑いときはエアコンを使いますし、冬は必ずといっていいほど暖房器具に頼る生活を余儀なくされています。そういう冷暖房を使うことを考えた上で、断熱材を選ぶのも一つの方法です。金銭的な理由であったり、結露がしない、シロアリ被害を受けないという理由で選ぶ人もいるかと思います。それらの理由はきっと正しいです!!

私から言えることは、皆様が思う断熱材に求めている性能を一番として、2番目にはこの理由、3番目にはこの理由というように順位づけをして判断してみてはいかがでしょうか?一つの案として提案させていただきます。

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