血糖値の上昇によって起こる糖尿病合併症と症状について〜看護師が詳しく解説〜

危険な病気
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どうもだいです。

看護師歴10年以上の僕が血糖値が上昇してはいけない理由についてお答えします。

結論から言うと『血糖値が上昇すると糖尿病を招くから』なんですが、それはほとんどの人が知っていることです。

それだけではこの記事を書く意味がないので、それより一歩先に進んで糖尿病が招く恐ろしい未来について深く答えていきたいと思います。

だい
だい

僕の記事はこういう人にオススメです

どうして糖尿病になるとダメなのかな?

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ほとんどの人が知らない糖尿病のこと:なぜ糖尿は体に悪いのか?

血糖値が上昇すると糖尿病になることは多分ほとんどの人が知っていると思います。でも、糖尿病が招く病気や合併症って何かわかる?と聞かれたら、答えられないですよね??

今日はそんな話です。早速本題へ

糖尿病が原因の大きな病気

・脳梗塞

・脳出血

・心筋梗塞

この3つの病気に共通してある部位が関係しているのはわかりますでしょうか?糖尿病が人体のどこに一番ダメージを与えるかと言うと、血管なのです。

人体の80%は血管に包まれていると言っても過言ではなく、高血糖や糖尿病は大小様々な血管の内部に異常をきたすので、血管系の病気を引き起こすのです。

どうして高血糖になると血管がダメージを受けてしまうの?

だい
だい

ちょっと長くなるんだけど、全身の血管の壁に内側にあるタンパク質に血液中の糖分がくっついて、タンパク質が変質してしまうんだ。この現象を終末糖化産物(AGE)って言うんだけど、血管の内壁は普段しなやかで頑丈で伸縮性があるのが特徴なんだけど、それが次第に失われるんだ。だから、血管は脆くなってちょっとしたことで、穴が空いたりボロボロになってしまうわけ。要は血管の中が老化しちゃうんだよね

血管の老化現象に実年齢は関係ありません。不規則な生活している人たち全てに当てはまると言っても言い過ぎではない気がします。

ここからは僕の経験則の話になるのですが、長いこと病棟で働いていると当然糖尿病患者さんに接する機会がとても多いです。

特に30代や40代などの比較的若い糖尿病患者さんに見られる特徴として【肥満】【実年齢よりも老いて見える】【極端に痩せている】【見た目が不潔】などですね。若干の偏見を含んでいますが、医療従事者ならなんとなくイメージできると思います。

糖尿病の患者さんは要するに自己管理がしっかりできていない人とも言えますかね。

AGEを調べるための指標として『ヘモグロビンA1c検査』というものがあります。

AGEが『とても重要』

ヘモグロビンA1cって何??

ヘモグロビンA1cは、ヘモグロビンという赤血球のタンパク質の一種にブドウ糖が結びつき糖化ヘモグロビンとなります。一度ヘモグロビンがタンパク質と結合すると離れなくなるので、この数値を確かめることができれば、過去1〜2ヶ月間の血糖の状態を知ることができます。

ヘモグロビンA1cの正常値は4.6〜6.2%、6.5%以上では糖尿病と診断されます

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血糖値の上昇はあらゆる病気を発症:【特に有名な病気を3つ紹介】

僕が以前解説した脳卒中の記事は病気のことを知らない方に向けてわかりやすく解説しています

脳出血

脳出血は脳内の血管破れることで起こる病気です。高血圧が原因で起こる脳出血を高血圧性脳出血などと言われたりします。

大体は『脳出血』で一括りにされる場合が多いんですが、何が原因だったのかをきちんと明示してくれる丁寧な先生は、(〜性)脳出血という病名をつけてくれます

詳しくは以下の記事で詳しく解説しているので参考にどうぞ!😁

脳梗塞

糖尿病性高血圧性脳梗塞などと言われたりします。他にもこんな感じの表現をしますね

糖尿病性脳梗塞、糖尿病性ラクナ梗塞、糖尿病形アテローム脳梗塞・・etc

実際、こういう病名がつく患者さんは結構多いです。脳梗塞の多くは高齢者なんですが中には50歳〜60歳と比較的若い方もいます。

脳梗塞について詳しくは知りたい方は以下の記事をどうぞ!

クモ膜下出血

クモ膜下出血はどちらかというと、生活習慣による発症よりも遺伝的に生まれつき脳の血管が弱く動脈瘤ができやすい人が多いのが現実です。

そのような特徴がお持ちの人が糖尿病になると、遺伝+糖尿病の特徴が合わさってクモ膜下出血のリスクを上げてしまいます

だい
だい

動脈瘤ができるのは脳だけじゃないよ。胸部・腹部・腎臓・脾臓・肝臓、さらには手や足の動脈にできる事もあるんだよ

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糖尿病の合併症と症状について

ここでは糖尿病の合併症について紹介します。

合併症とは、その病気が元になって起こる別の病気や状態のことを言います。大きな枠組みで言うと、心筋梗塞や脳梗塞も合併症と言えるかもしれませんが、もっと確実性があります。

網膜症

抹消神経障害

腎障害

よく思われガチなんですが「病気なんだから何かしら症状があるはず」と思われることでしょう。

はっきり言うと糖尿病の初期に自覚症状はありません。症状がで始めるタイミングとして

高血糖状態が長く続いた時 or 糖尿病がある程度進行してからが多いです。

糖尿病の症状3つ

口渇・多飲・多尿

この3つ症状は「自分は糖尿病かもしれない」ことを自覚するために大切な症状です。

だい
だい

必ず覚えておこう!!

なぜ?と思われたかも知れませんが、めっちゃわかりやすいように解説します。

高血糖状態が続くと血管内は脱水状態に陥るので当然喉が乾きます。まずコレが口渇の状態ですね。

喉が渇くとみなさん水を飲みますよね?健康な人であれば水を飲めば乾きが取れるのに対して、常時脱水状態が続く高血糖では、いくら水を飲んでも乾きは解消されず逆に水を飲み続けて解消しようとします。所謂コレが多飲です。

で、水を沢山飲み続ければそれだけトイレに行く回数が増えます。しかも飲水量が増えると一回で出る尿の回数も増えるので、この状態が多尿です。

糖尿病性神経障害

細胞が死ぬ

合併症のなかでも、早い時期に起こる合併症です。

原因は高血糖の状態が血管だけでなく神経細胞にまで及ぶためです。全身の毛細血管が痛むと栄養と酸素が運ばれている末梢神経に行き届かなくなります。神経細胞が栄養失調症や酸欠状態に陥ると、体にとって不要な老廃物を回収できなくなり壊死してしまいます。

壊死とは?自己融解によって細胞が死滅していくこと。細胞が壊死すると元には戻らない

また、神経障害というだけあって手足の痛みや痺れに鈍くなり、『熱い』や『冷たい』などの感覚にも鈍くなります。

コレを感覚鈍麻と言うのですが、ちょっとした傷や怪我から細菌感染を起こしても感覚が鈍っているので、【感染の5兆候】を見逃してしまいます。

感染の5兆候

発赤・・・炎症の起きている組織が赤くなる

発熱・・・体温の上昇または局所の熱感

腫脹・・・炎症部位が腫れる

疼痛・・・痛みを生じる

機能障害・・・機能の喪失

どれも健康な人であればすぐに異変に気付けるモノばかりです。これの兆候を糖尿病の患者さんは気がつけません。

壊疽を起こすと切断するしか選択肢はない

壊疽した部位をそのままにしておくのは非常に危険です。なぜなら感染が全身に及んでしまい敗血症を引き起こすからです。

「壊疽した部分は元に戻らないの?」と思われるかも知れませんが、現代の医学では壊疽部位が正常な状態に戻ることはほぼありません。

ですから、壊疽した箇所を切断する以外選択肢はないのです。

敗血症とは??

敗血症は、菌血症やほかの感染症に対する重篤な全身性の反応に加え、体の重要な器官(臓器)の機能不全が起こる病態です。 敗血症性ショックは、敗血症によって生命を脅かす低血圧(ショック)および臓器不全が引き起こされている病態

MSDマニュアル

糖尿病患者さんで壊疽した手足を切断するのは珍しいことじゃありません。

ちなみに統計的にも年間で3000人ほどの患者さんが手足の切断を余儀なくされており、事故などの外傷を除けば糖尿病性壊疽は第一位です

※以下は余談

だい
だい

以前働いていた病院では、半年の一度ぐらいの割合で切断を余儀なくされる患者さんを見てきました。ちなみにいらない情報かも知んないけど、医療用語でアンプタと言われています。

使い方としては「明日の何時にアンプタ目的で入院」「来週アンプタ目的でオペ」などですね。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症

合併症の中でも高頻度で発症します

なので糖尿病の人は、定期的に病院にかかり網膜症を起こしていないか、他にも白内障や緑内障も同時に合併していないかを診断してもらう必要があります

この病気は当然放置していれば失明につながります。この病気が原因で視力を失う人の割合は年間3,000人程度と言われていて、実際に視覚障害者の5人に1人はこの病気が原因です

ちなみに網膜症も失明寸前まで気がつかない人が多いです。コレは意外な事実と思われガチですが、そうでもありません。

急激な視力の低下や視界がぼやける感じがあれば、すぐに自覚できても、徐々に進行していく視力障害は意外と気がつかない人が多いためです。

網膜症のメカニズム

だい
だい

網膜症は、網膜の血管からジワジワ出血し、少しつづ進む病気なので自覚する人が少ないのが特徴

高血糖の血液が、網膜の血管壁のタンパク質がAGE化して小さな出血が起こります。細い血管はAGE化することによって脆く傷つきやすくなり簡単に破れてしまいます。まだ初期段階であれば血糖コントロールだけで病状は安定します。

なので糖尿病や高血糖と診断された場合は、定期的に眼底検査を受けることをオススメします

糖尿病性腎症

糖尿病腎障害は、合併症の中で一番深刻な病気です。

だい
だい

腎臓は老廃物を尿として排泄する重要な臓器なんだけど、この臓器が正常に機能しないと老廃物が体内に溜まって腎不全を起こすんだ。

簡単にいうと腎不全とは腎臓が働いていない状態なので、そのままにしておくと数日で○んでしまいます。

腎不全が進行すると心臓や消化管、脳も機能しなくなるのでかなり危険な状態に陥ります。

ちなみに「腎不全の状態になると2度と戻らないのか?」と心配される人もいると思いますが、答えはイエスです。

ある程度進行すると2度と元には戻りません。その状態になると老廃物や余分な水分を人工的に取り出し清潔な血液として体内に戻す治療が必要になります。

人工透析を受けると週に3〜4回、各4時間ほどは透析に時間を取られてしまうので、ほぼ半日〜1日は病院で過ごすことになります。腎不全による人工透析は生涯続けなくてはいけない治療なので、時間と経済的な損失は甚大です。

以上の理由で高血糖値や糖尿病を起こさない、血糖値を安定させることが長生きにつながるのです。

おわり

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